入門編⑦マクロ経済学の視点

 マクロ経済学では、均衡財政を前提に「拡張的財政政策」「拡張的金融政策」を分析します。国民所得が増加する政策が良い政策で、減少する政策が悪い政策と考えます。

 すなわち、均衡財政の資金を活用して国民所得を如何に増加させるかと分析します。2時点間の比較になります。

 そもそも前記良い政策・悪い政策ということは、現実的ではありません。実際経済を引き締める時期には「緊縮的財政政策」「緊縮的金融政策」を実施するからです。これは、マクロ経済学より上位の概念に「景気循環論」があり、経済を健全化するために、「景気循環論」に適合しないといけないからです。

 仮に「拡張的財政政策」「拡張的金融政策」が良い政策なので、常時行うとなると、インフレが後になるほど強くなり、常時デノミを行うことになってしまいます。貨幣信用も失墜してまったく市場経済が機能しなくなります。実施不可能でしょう。

 話は国債になります。マクロ経済学では、現在国債を発行すると、10年後に償還するシナリオで経済効果を分析します。現在に拡張的財政政策を実施して経済効果が高まるのですが、10年後に国債償還額を支出して緊縮財政で経済活動が悪化し、国債をまったく発行しない場合である、前者の現在・10年後ともに平坦な経済と、後者の現在に好景気・10年後に不景気の平均したものの評価は同様になります。ところが、マクロ経済の現実論では、現実同様10年後に償還額を上回るかさ増しして国債発行を行います。継続的に実質的な歳出超過を行います。つまり、純粋な均衡財政経済より、好景気となります。

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