入門編②マクロ経済学とマクロ経済の現実論

 「マクロ経済学」と「マクロ経済の現実論」の大きな違いは以下のとおりです。

 第一に、マクロ経済学は均衡財政(健全財政)ですが、マクロ経済の現実論は現実通りの歳出超過です。

 第二に、マクロ経済学は、歳入の範囲で歳出して、営利活動的に国民所得を高めることを目的としますが、マクロ経済の現実論は実際の商品・製品・サービスの質・量の向上を目的とします。なお、「国民所得」は利益の合計額ではなく、売上高の合計額であることに留意してください。

 貨幣は欲望の二重の一致(物々交換でいう私の売るものとあなたの買うもの・私の買うものとあなたの売るものの一致)が不要です。経済の目的は、商品・製品・サービスの消費で、貨幣獲得は経済の手段です。

 市民経済は財・サービスを消費するために、貨幣を獲得します。他方、国家経済は財・サービスを消費することは目的ではありません。経済活動を円滑に進めるために市場に貨幣を供給します。すなわち、貨幣を適切に支出していきます。ここがポイントです。この先の議論はこの前提をもとに進行していきます。具体的には、後述する表の事情・裏の事情により、歳出超過を行います。

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