⑧貸地における留意点

 一般に土地の貸地を行うと、土地の権利は「借地権」及び「底地」の二つに分解されます。「借地権」とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいい、「底地」とは、宅地について、借地権が付着している場合における当該宅地の所有権をいいます。

 すなわち、建物の所有を前提に貸地を行うと「借地権」及び「底地」に権利が二分されます。

 土地の所有者は貸地を行う場合には、経済的不利益を受けないための留意点があります。土地賃貸借契約時に借地権割合に見合った権利金を授受すべきです。仮に最終的に土地の完全所有権に復帰することを期待するのであれば、定期借地権契約にすべきです。

 一般的に借地権割合の判定に強い影響力がある指標は相続税路線価に記載されている借地権割合です。愛知県の一般の住宅地の場合50%の地域が標準的です。借地人が所有権価格の50%の経済的利益を享受して、底地人は所有権価格の50%の経済的利益を譲渡することになります。このように、貸地を行うと経済的利益の授受が伴うので多額の権利金を授受することが一般的です。

 ここまでが一般論です。借地権価格は、月額支払賃料の多寡、将来授受される一時金の額及び将来の完全所有権復帰の期待等を総合的に勘案して判定します。ただ、皆様は一般の貸地を行うと、一定の経済価値を譲渡したことになるという点にご留意ください。

 このような経緯から、定期借地権制度が創設されました。契約期間が満了すると確定的に契約が終了します。詳しい制度概要については、個別的にお問い合わせ願います。

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