⑦価格と賃料との相関関係
賃料とは通常1月当たりの使用収益権に対する経済的対価です。では、価格はどうでしょうか。一般に土地を例にして考察すると、譲渡・相続等による引き継ぎはありますが、現在から永久の将来までの使用収益権に対する経済的対価です。ただし、将来の経済価値は、不確実性及び一定期間経過後に授受する経済的利益なので、割引計算(利息計算の逆数)が必要です。そこで、「価格とは将来の使用収益権に対する経済的利益の現在価値の総和」となります。
ある不動産の近隣に鉄道の新駅開通が発表になると、将来の経済価値を含有する価格は直後に上昇しますが、賃料は実際に新駅開通時に上昇します。
話をまとめますと、賃料は1月当たりの経済的利益、価格は現在から永久の将来までの経済的利益の現在価値の総和ということです。あまり難しく考えないでください。実際の計算方法は経済数学の分野になりますので、ここでは割愛いたします。