YOUTUBE旧⑫経済力評価に関する二面性
「経済力が向上した。」という場合、二つの側面があります。一つは、「国民所得が向上した。」、すなわち、売上が増加しているということです(これが一般的です。)。⑬の「相対的経済力」です。では、もう一つはというと、売上はそれほど増加していないが国内の「商品・製品・サービスの質・量が向上した。」ということです。⑬の「絶対的経済力」です。
「⑪円高ドル安論」を例に考察します。アメリカ製品は、円高ドル安によって日本における円建て価格が、相対的に安価になり純輸出が増加して国民所得が増加しました。上記前者の売上が増加しました。しかし、アメリカの経営努力は、日本の経営努力ほど大きくありません。日本製品は、円高ドル安によってアメリカにおけるドル建て価格が、相対的に高価になっている状態を強いられる市場で経営努力を行いました。上記後者の商品等の質・量が向上しました。
円高ドル安下では、通常円はデフレ傾向(円の価値上昇)にあります。円の購買力が向上しています。売上が伸び悩んでいても、円の購買力が向上しているということは経済力が向上したと言えます。
アメリカにおける上記後者(商品等の質・量)及び日本における上記前者(売上)についても小さいながらも向上しているでしょう。将来的な展望を重視すると上記後者に注力する方が望ましいです。