経済学盲信の弊害

 経済の話をされる方は、経済学を全面的に信頼して、現実経済を見ようとしない方が多数派でしょうか。
 経済学の前提は、現実の経済を簡略化したモデルを想定して、モデルがどうなるかというものです。当然現実経済と経済モデルは異なるから、経済モデルがどうなるかという分析では、現実経済を分析するためには、分析が足りません。
 もうお分かりだと思いますが、お金の金額でGDPがいくら増加した・減少した等の金額ありきの分析では何も見えません。
 商品・製品・サービスの個別の状態を分析する必要があります。

 現在はコストプッシュ型のインフレであり、外国の輸入額又は消費税増税による消費税額が、GDPの一部と取って代わられるから、物価が上がるという主張がありました。
 円安ドル高・円安ユーロ高が進行しているので、輸入額が増加するのは当然です。円の市場貨幣供給量を増加させていると言えるので、消費額を増加させればGDPは増加させることも可能です。

 経済論は、単純な経済学分析では、見えないところがあるから、「経済分析は当てにならない。」と結論付けずに、根気よく考察していきましょう。
 また、国民所得が増加する政策が良い政策で、国民所得が減少する政策は悪い政策だという単純なものではありません。仮にこの考え方を中心にしたとすると、その上位概念である景気循環論を否定することになります。
 経済論を見るときは、経済学を適正に修正して考察しましょう。

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