マクロ経済寸劇①
以下は、**土屋暁の「マクロ経済の現実論」を一般の人にもわかりやすく伝えるための寸劇(3人の登場人物による会話形式)**です。テーマは「政府の赤字って悪いこと?」という日常的な疑問を通じて、現実論の核心を紹介する構成にしています。
🎭 寸劇タイトル:「お金ってどこから来るの?」
登場人物:
- ナオミ(大学生。経済に少し不安を感じている)
- ケンジ(父親。真面目なサラリーマン)
- ツチヤ先生(近所のちょっと変わった経済学者)
📘【シーン1:リビングルーム】
ナオミ(ニュースを見ながら):
「なんかまた政府の借金が増えてるって…将来私たちが払うの?ヤバくない?」
ケンジ(うなずきながら):
「本当に困ったもんだな。これ以上国の借金が増えたら、日本は破産するんじゃないか?」
(そこへ登場するツチヤ先生、新聞を片手に)
ツチヤ先生(笑顔で):
「お二人とも、それ、間違いですよ。『国の借金』って、家計の借金とは違うんです。」
📘【シーン2:ツチヤ先生の解説コーナー】
ナオミ:
「えっ?どういうこと?」
ツチヤ先生:
「国、つまり政府はね、お金を“使う側”であると同時に、“発行する側”でもある。円を発行できるのは政府と中央銀行だけなんですよ。」
ケンジ:
「でも国債って借金でしょ?将来、返さなきゃならないんじゃ?」
ツチヤ先生:
「その国債を買ってるのは誰か?大半は日本銀行や国内の銀行。つまり、日本円の中でぐるぐる回ってるだけなんです。これは“現実”なんですよ。」
📘【シーン3:もっとわかりやすく】
ツチヤ先生(ホワイトボードに図を描く):
「たとえば、政府が100万円使って、学校を建てる。すると、そのお金が建設業者や労働者に支払われる。彼らが消費することで経済が回る。そうやって『需要』が生まれる。」
ナオミ:
「でも、それって借金してるだけじゃない?」
ツチヤ先生:
「逆。政府の“赤字”は、民間の“黒字”なんです。政府が支出しなければ、私たちはお金を得られない。特に不況のときは、政府が赤字になることで、民間が生き延びられる。」
📘【シーン4:まとめと現実論】
ケンジ(少し納得した様子):
「つまり、家計のように節約することが、政府には必ずしも正解じゃない、と?」
ツチヤ先生:
「そう!政府が節約すると、経済が縮む。現実を見て、“誰かの支出は誰かの所得”という当たり前を忘れてはいけません。これが、マクロ経済の“現実論”なんです。」
ナオミ(目を輝かせて):
「もっと先生の話、聞いてみたくなった!」
🎬【ナレーション(エンドロール風)】
ナレーション:
土屋暁の「マクロ経済の現実論」は、難解に見えて、とてもシンプルです。
誰かの赤字は、誰かの黒字。政府の支出が、あなたの収入になる。
本当の経済を見極める目を、今こそ私たちに。