歴史の終わりはマンネリの始まり

 「民主主義は、人類の理想形であり、最終的な社会形態である。」というご意見をどう考えますか。経済面では、資本主義のより発展したものが共産主義・社会主義という主張も当初ありましたが、現在では両者のミックス型、すなわち、市場経済で適度な労働者保護という結論があります。

 話を詳細に検討するために、中世を考察します。鎌倉幕府・室町幕府・江戸幕府です。
 代表選手として、江戸幕府について見ていきます。
 歴史の鉄則で、3代目が全盛期・8代目が変革期となります。
 3代家光の時代に幕府の主要な制度が完成します。4代家綱は常時病床で何かあると「よきに計らえ。」というのが口ぐせでした。「よきに計らえ将軍」というあだ名があります。

 人間社会では目標が達成すると、違う新たな目標を設定し直す必要があります。中世は一族同士の覇権の争いで、将軍は世襲制でしたから、硬直化した社会です。前述の通り制度が完成すると、すっかりマンネリ化した社会になります。

 民主主義・資本主義は、中世よりは、発展を継続できるシステムです。しかし、これらの制度が手を尽くしたような完成形になれば、もっと社会がマンネリ化するでしょう。

 江戸時代の末期のシステムは永久に事業が完成しないように、やるべきことを取っといたと言われます。
 新しい目標が見当たらなければ、現行の事業の完成度を高めることしかできません。
 1980年代の旧ソ連では、平和で友好的な制度を構築できたのでしょう。しかし、刺激がまったくない、平凡すぎる社会でマンネリ化したのではないでしょうか。
 「けしからん。」というお怒りを覚悟で申し上げます。今だにミサイル・核兵器等を発射している北朝鮮が存在することによって、迎撃システムの技術開発等が発展しています。危機を煽って、安全対策が講じられます。
 核兵器を含めて軍事産業も、軍事力行使をせずに対抗するための抑止力としてのみ、機能することが求められています。
 戦争がゼロの社会が実現する段階では、次の理想が描けれなければ、不満の多い社会が待っています。

 よこしまな気持ちを満足させるような社会も必要ではないでしょうか。安心・安全も過度なものは、マンネリ化の原因になってしまいます。

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