20~21世紀の経済論
20~21世紀の経済論で特筆すべきは、資本主義と共産主義(社会主義)の是非です。
資本主義の本質は市場経済、共産主義の本質は労働者保護です。
資本主義の弱点は、資本家が利益追求を極限まで行えば、労働者が疲弊することです。
共産主義の弱点は、労働者が保護されているから、頑張ろうという意欲が湧かなく、意欲を持つためには、市場経済の導入が不可欠ということです。
ロシア元大統領のゴルバチョフ氏の発言に、「世界で最も成功した社会主義国は日本だ。」というものがございます。
先述のとおり、労働者保護が共産主義の本質なので、資本主義である市場経済において、労働者保護を行うということは、理念的には、資本主義と共産主義のミックスなのです。
もう歴史が証明しているとおり、今後は、市場経済でかつ労働者保護というのが結論です。
市場経済で、労働者保護を行うと競争力が低下するという批判もございます。
しかしながら、低賃金国は、低付加価値産業で躍進しますが、高賃金国は、高付加価値産業で躍進するので、産業の住み分けができます。