貨幣経済の形態論
貨幣経済の形態論としては、①純粋な貨幣経済、②金本位制、③管理通貨制の3段階がございます。
①純粋な貨幣経済とは、貨幣の本来の形態です。貨幣は、取り扱いが容易で、価値が高いことが条件です。
当初の貨幣は、金貨・銀貨・銅貨等です。取り扱いが容易かつ価値が高いです。
では何故発展段階の②金本位制、③管理通貨制へ移行したのでしょうか。
それは、マクロ経済の現実論そのものである、国家経済が歳出超過という事実と関連が深いです。
金貨・銀貨・銅貨等は、希少で価値が高いです。そのような貨幣を歳出超過すると、貨幣の流通量が限定されてしまいます。
そこで、②金本位制、③管理通貨制へと移行しました。
②金本位制とは、1ポンド紙幣は16オンスの金と交換することを常に認めますということで、金の価値を担保することをしました。
紙切れである1ポンド紙幣が高い価値を持ちました。
この金本位制も初期は、きちんと担保されていましたが、徐々に備蓄している金を価値総額を上回る紙幣の発行が行われて、次の③管理通貨制へと移行します。
③管理通貨制とは、紙幣を発行することに、直接的担保は何もなく、市場に実際に流通している商品・製品・サービスが充実していることを前提に、市場全体で、1万円札等に価値を認識して流通する貨幣制度です。
ここで、明らかになることは、国がいくらお金を備蓄していても豊かであるという意味の「金持」にはならないということです。
国の豊かさというものは、国内全体の商品・製品・サービスの充実度でしか考えられません。
貨幣経済の形態論をご理解なさったら、国家経済の本質を一定程度ご理解されているといえます。
今日から、市場全体の商品・製品・サービスが何らかの原因で流通できなくなったら、早急に紙切れである貨幣(紙幣)を物資(金・不動産等)に買い換えてください。