新自由主義の総括
新自由主義を論じる前提として、本来の自由主義がございます。
本来の自由主義に触れてから、新自由主義、続いて、私が命名した、「現代政治上の新自由主義」をご説明します。
本来の自由主義とは、17世紀から18世紀にかけてヨーロッパ列強諸国の植民地拡大競争時代が中心です。
このような自由主義が経済にとって好ましいと言える条件は、常時拡大再生産が行われることが前提です。
市場が相対的に限定されている場合は、生産調整等の規制経済が好ましいです。
では、新自由主義の根拠は何でしょうか。ある程度需要の拡大が見込める状況が部分的に可能な場合です。
根本的に、現代で新自由主義が有効だと言えるのは、極めて限定的です。
本来の自由主義と同様の形での新自由主義というのは、現代では不可能です。
そこで、現代の政治家が好んで使用される自由主義というのは、私が命名した、限定的に認められる自由主義という意味で、「現代政治上の新自由主義」という表現で、本来の自由主義と区別して表現します。
では、自由主義の後の時代の経済はどんな体制でしょうか。
一般的には、「帝国主義」又は「独占資本主義」等といわれる、規制をかけて、過当競争を抑制し、生産調整を行う体制です。
現代では、自由競争・自由貿易等というのは、厳密にはほとんど不可能な状況です。
皆様がそれぞれの利益を守るために、規制をかけて利益調整するのが、正しい経済体制です。