基礎編⑯軍事力から経済力へ

 核兵器が使えない脅しでしかありません。アメリカ50%・旧ソ連50%の破壊力(地球全体)の冷戦構造です。1980年代は冷戦構造で最高度に緊張が高まり、その後緊張緩和しました。このとき、地球上の生物をすべて破壊して、生物が存在しない47億年前の地球に戻ってしまうリスクがありました。アメリカと旧ソ連の両者が核兵器を使用してしまった場合です。

 今後は経済力によるリーダーシップの時代が到来します。憲法9条は、戦争放棄の原則で、次の時代を見据えた考え方です。軍事力が力の均衡による抑止力で戦争がなくなると戦争以外の力、すなわち、生活上の豊かさである経済力がリーダーシップの条件となってくるでしょう。

 現在の戦争は制限戦争です。泥沼の戦いです。破壊力の小さい武器による勝者になれない戦争です。

 今の時代標準的な歴史観としましては、地球の生物を全滅できる核兵器を開発した時点で、戦争という手段で権力拡大を目指すのはかなり無理という理解です。
 そもそもアメリカがリーダーの20世紀は、宣戦布告を行い正々堂々と戦争を実施するという制度の建付けでした。植民地支配は不当で民主主義を掲げて独立国家を構築することが国家の理想でした。私も不勉強で、「宣戦布告を行い戦争する。」という制度が国連の規程かは正確ではないですが、いずれは戦争という手段を禁止することが望ましいです。

 さらに、ヨーロッパ列強諸国の立場もご説明します。科学的に先進地域となり、軍事力を強化しなければ活躍できない時代もありました。ミャンマー (元の名称は「ビルマ」) を例にします。ビルマという国は、もともと王政で相対的に民主的でした。その後軍部が政権を支配します。ヨーロッパの裏工作の手段を正確には理解できませんが、仮にビルマの指導者が、「国家同士の戦争は野蛮です。」という主旨の考え方をすれば、ヨーロッパの立場から見ると、軍部の支配を扇動することも考えられます。

 結局、先例を踏襲しつつも、未来志向の視点を持つということです。相反することで、言葉では簡単ですが、なかなか実践できません。

 最後に、ロシアのウクライナ侵攻は、日本の明治時代の西南戦争と重なります。当時武士は平和な時代に、商売を始めることとなり、戦うことで活躍できなくなりました。何度か国内で反乱がありましたが、西南戦争は、西郷隆盛が率いて、最大規模で最後の反乱でした。
 ロシアは冷戦時代に、軍事力に偏った繫栄をして、軍事的リーダシップしか持ち得なかったです。そうした20世紀の残存する性格が色濃くあります。
 いずれにしても、この戦争が早期に終息し、これが最後の戦争になることを願います。

 私は現在の戦争体制を制限戦争と呼んでいます。なぜかと言うと、核兵器により地球全部の生物を全滅できる状態での戦争だからです。

 今後は制限戦争から戦争ゼロの時代へ進展していくでしょう。そのためには共存共栄できる社会制度を構築することが必要です。ロシアは軍事的リーダシップを行った最後の国となることを願います。

 より豊かになる国を目指します。経済力が豊かさの指標です。技術向上を目標に、より高度な商品・製品・サービスを提供していきましょう。

 蛇足ながら、核兵器の発射の可能性について言及します。
 仮に、アメリカとロシアに世界の各50%を破壊するように配備しているとします。この場合1980年代の時のように緊張が最高度に高まります。現在アメリカとロシアが対峙しての交渉状態ではないので、核兵器は配備していないと考えるのが自然です。
 核兵器発射の脅し合いでの戦争です。

核兵器割合仮説

 「国連の常任理事国5大国は、核兵器を保有しています。」という命題は一般化しております。しかしながら、核兵器の破壊割合は謎の中です。

 そこで、各時系列的に5大国の破壊割合を仮説してみます。当初はアメリカ50%・旧ソ連50%は確実でしょう。中国・イギリス・フランスは推定が困難ですが、影響力は2大国の半分ということで、各25%とします。

 当初は、社会主義体制の限界に達していない状態でした。1980年代後半にその限界に達して、中国の破壊割合を50%に増加することで、影響力は3大国の三つ巴でバランスを維持していました。それでもさらに、旧ソ連・中国が体制の限界に達して1990年前後に旧ソ連・中国の核兵器は廃絶しました。これで、世界の核兵器はアメリカ50%・イギリス25%・フランス25%となり、3国が核兵器を発射しない限り、世界の生物が全滅して、生物が存在しない状態、すなわち、47億年前の地球と同様の状況になるリスクはかなり減少しました。

 その後は、1994年前後にフランスが廃絶、2000年代にイギリスが廃絶、2010年代にアメリカが廃絶したとするのが、私の仮説になります。

 元々、常任理事会が拒否権を発動すると、核兵器を発射する準備をして、反対意見の他の常任理事国が発射を抑制することを行って、事態を収拾するシステムがありました。現在は、シュミレーションゲーム的に拒否権を発動するシステムになりました。

 したがって、日本の法律を恣意的に立法して戦争できる制度にしようという立場は時代に真っ向から逆行するものです。脅かしのシステムを増加させるだけのものです。新しい国際秩序の構築が求められております。

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