YOUTUBE旧⑪円高ドル安論

 マクロ経済学では、円高ドル安を以下のように考察します。

 アメリカ製品は、日本で以前より安く売れるため、アメリカの純輸出は増加して、国民所得は増加する。一方日本製品は、アメリカで以前より高くなるので、日本の純輸出は減少して、国民所得は減少する。

 しかしながら、マクロ経済の現実論として、時系列的にみると、アメリカで高くなり売れなくなった日本製品は経営合理化を行います。性能向上・費用削減等の経営努力です。日本製品は相対的に安価になったアメリカ製品との競争を強いられるのです。度重なる円高ドル安により、技術援助を受けながら、安かろう悪かろうの日本製品は品質向上してきました。

 価格例で考えてみましょう。1ドル200円から1ドル100円に円高になりました。10ドルのアメリカ製品は当初日本で2,000円でしたが1,000円に値下がりします。逆に、1,000円の日本製品は当初アメリカで5ドルでしたが10ドルに値上がりします。

 20世紀に1ドル360円から変動相場制で、1ドル80円まで、常に経営努力を継続しました。この円高ドル安は近年停止しました。現在は1ドル120円前後で固定為替相場制のような状態に変化しました。

 是非の判断は困難ですが、かなり強度な為替介入が継続中です。日本製品が高性能化した現在ではこのような為替相場が適当なのかも知れません。

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