YOUTUBE旧㉓民主主義の始まりとその良否(フランス市民革命後のナポレオン帝政)
民主主義というと、無批判的に良好な制度というイメージが強いものです。「大衆の反逆」等民主主義を大衆迎合し過ぎると適正に機能しないと警鐘を鳴らす批判が現在も絶えません。
そもそも民主主義の発端は、中世のヨーロッパが劣勢である状況での「逆転の発想」です。中東・日本は、地理的条件(海による天然の要塞・山岳地帯による生活の知恵等)により、ヨーロッパを脅かす存在と言われていました。
当初国の統治には、全体構造のために、市民が機能するという考え方が一般的でした。ところが、民主主義(基本的人権の尊重)で、「人が主役」であると主張を始めました。すなわち、火事場のバカぢからで国民に奮起してもらうために、優先すべき「国の統治」のランクを格下げしたのです。結果、ヨーロッパで大航海時代の後続いて植民地拡大競争が展開されました。ちなみに、現在の日本は戦後欧米化(個人主義)を促進しましたが、全体構造にも注力していて、バランスを保っています。
では、民主主義体制を整えれば、誰が政権を担当しても魔法のように望ましい政治・経済体制が機能するのでしょうか。残念ながらそううまくはいきません。適正な政権担当者が必須です。フランス市民革命の後にナポレオン帝政が起こりました。仮に民主主義が万能であるとすると、ナポレオン帝政は、独裁体制なので市民から指示を受けられません。では、なぜナポレオン帝政が起こったのでしょうか。適正な民主主義が機能しなかったからだと考えるのが自然ではないでしょうか。すなわち、独裁体制の方が適正な政治・経済体制が機能する場合もあるということです。
絶対王政・封建制は社会の成熟度が低位と言われますが、歴史的成熟度の低位な国は現在も存在しています。大使館の不逮捕特権は、各国の大使館内では、民主主義の国だけでなく、封建制の国の価値観も容認しています。歴史的な成熟を経ずに民主主義を受け売りしようとしても機能しないのです。