YOUTUBE旧㉞「資本主義が終了」という主張
ゼロ金利・マイナス金利政策で、金融経済が苦しい状況です。そもそも金融経済は実体経済を覆う膜のようなものです。実体経済が今後も継続していくので、しばらくは、資本主義は継続していきます。
金融経済のように、利益活動が困難な産業というのは、経済政策として、経営合理化等を促進して、より人員の必要な産業を拡大するという目的があります。他には、林業も縮小傾向にあるのではないでしょうか。
別の主張
最近、公共財の理論を持ち出して、「利益を生まない産業が重要であり、いずれ資本主義が終了するのである。」という主張を聞きました。そもそも民間の利益活動だけが存在しているものを資本主義であるとは言いません。現在の資本主義は、利益活動が不必要になって、公共財だけが重要性が増したわけではありません。
資本論等を始めとする資本主義の理論は、利益活動に焦点が当たり、公共財の理論は、やや小さく論じられているため、誤解が絶えません。
現在資本主義が終了すると仮定しても、それに代わる経済体制がまったくありません。社会主義・共産主義経済の国家的実験が20世紀に終了して、労働者保護を手厚く行うことを最優先しても、資本主義より効率が低いという結果が出ました。したがって、市場経済を継続しつつ、適度な労働者保護が現在の理想的な国家体制であります。