YOUTUBE旧㊲㊵自由競争が不公正競争(過当競争の抑制)
自由競争というと公正な競争というイメージが強いでしょうか。では、需要が限定的である産業で自由競争を取ると不公正な競争になるということはありませんか。
何年か前に京都某タクシー会社が、タクシー業界は京都市の許可で台数を増加させる制度があります。経営力があれば、許可をして自由競争を促進すると良いでしょうか。
ここでの数値例は現実の数値ではありません。仮に例えば、それまで京都市に8,000台あったとします。そのうち某タクシー会社が500台保有していました。新たに500台導入する許可を求めました。某タクシー会社の事業者はタクシー代金を値下げして、消費者にサービスするという持論を説明していました。このような価格破壊サービスは本当に良いのでしょうか。
某タクシー会社が描いたシナリオは以下のとおりです。
タクシー代金の値下げで、京都市のタクシー業界では某タクシー会社が利益を度外視して、売上を伸ばすことになります。資本力が大きければ、経営体力はある程度維持できます。8,500台と過剰になったため、資本力のないタクシー会社は経営不振になります。仮に、8,000台が適正台数であるとすると、経営不振になった他のタクシー会社の500台は破綻します。そして、市場から撤退します。某タクシー会社は500台から1,000台に経営拡大したうえで、京都全体のタクシー台数は1度8,500台になったものの、適正の8,000台に戻っています。その後某タクシー会社はタクシー代金をもとの価格に戻すことでしょう。
現在は、限定的な市場では、自由競争を唱えることがあれば、不当な競争ではないかと疑いを持つべきでしょう。自由貿易についても、過大評価しないようにしたいものです。ちなみに、その当時の京都市は不許可としたので、公正な判断でした。