YOUTUBE旧㊻中国経済過大評価論に踊らされない視点
中国経済の評価は一定程度であるというのが結論です。経済成長率が相対的に高く、町工場の技術等を獲得して、低次産業では一定の競争力を持っています。それは人口が多いのもその一因です。
では、客観的な競争力評価をしてみましょう。アメリカの経済力を基準に、ドル・元為替レートの推移・動向で、元の価値が分かります。当初アメリカがドル安元高政策を行うと、中国は為替介入して、ドル高元安に誘導しました。仮に経営努力により、ドル安元高で経営成績を残す自信があれば、このようなことは行いません。中国経済の力量はアメリカを基準にすると、それほどではありません。
ただ、街を開発したり一定の技術力向上はあります。その向上の程度が大きくはないと言えます。中国が低次産業で一定の成果を上げると中国より生活水準の高い国はより高次の産業を強化しないと生活水準が低下します。これが一般的な中国経済の評価ではないでしょうか。一定の低次産業が好調であるから中国経済が絶好調であると論じるのは全体の産業でのある産業の客観的評価ができていないために起こる誤認です。
しかしながら、最近になって習近平国家主席が主導してドル安元高を行おうという姿勢が始まりました。中国経済にとって良い兆しです。しかし、この政策もコロナ感染症情勢に対応するため現在はドル高元安政策に逆戻りしております。
日本人としては、中国経済過大評価論に踊らされることなく、志を高く持ってより高次産業を強化していくことが重要ではないでしょうか。
なおここでの高次産業・低次産業はより付加価値の高い又は低い産業を指します。第一次~第三次産業の区分ではありません。ご注意ください。
円高ドル安論でも前述しましたが、ここではドル安元高論として再掲します。マクロ経済学では、ドル安元高になると、相手国での製品価格は以前より相対的にアメリカ製品が安価となり、中国製品が高価となります。アメリカは純輸出が増加、中国は純輸出が減少、その結果アメリカは国民所得が増加、中国は国民所得が減少します。マクロ経済学では分析はここまでですが、さらに時系列的分析ができます。アメリカはさほど経営努力をしなくても経営成績が良好ですが、中国は費用削減・技術向上等の経営努力を行うことで、経営成績を上げていく必要が大きいです。可能な限りドル安元高で、元の価値を高める経営努力を行うことが中国にとって理想的です。
価格例を明示しておきます。1ドル200元から1ドル100元に元高ドル安になります。10ドルのアメリカ製品は当初2,000元でしたが1,000元に値下がりします。1,000元の中国製品は当初5ドルでしたが10ドルに値上がりします。