⑤一般条項

民法第1条第2項 信義誠実の原則(信義則)
民法第1条第3項 権利濫用の禁止

 一般条項とは、民法第1条第2項・第3項を言います。民法の特別法である労働法全般及び民法第2条以下の具体的な規定に当てはまらない事項であるが、保護する必要性がある場合に処理する条項で、抽象的な規定です。

 第2項は信義誠実の原則(信義則)です。当事者が契約関係にある場合に配慮すべきである事項をいう場合の義務です。例えば、形式上雇用契約自体には要請がないのですが、雇用契約の付随義務として事業主の従業員に対する安全配慮義務が信義則上要請されます。現在では労働契約法等に規定がありますが、昭和時代では民法第1条第2項で処理していました。

 第3項は権利濫用の禁止です。当事者が契約関係にない場合です。形式的には一見正当な権利の行使と言えるが、利益衡量すると、実質的には、権利濫用と言える場合が該当します。例えば、社会通念上妥当でない解雇権・出向権・転籍権等です。上記同様現在では労働契約法等に規定がありますが、昭和時代では民法第1条第3項で処理していました。

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