⑥ホスコルド式について

 ホスコルド式は、
 P(左項)=a×1/〔Y+I/{(1+I)ⁿ-1}〕(収益現価率)・・・①
      =a×1/[Y(1+Y)ⁿ/{(1+Y)ⁿ-1}] (年賦償還率)・・・②

 ①の太字部分全体はY+(Iの償還基金率)で、I=Yのときに②が成立します。
 永久還元法との比較では、太字部分全体を「還元利回りR」と考えられます。ただし、対象期間はn年であるから同じ土俵では考えられません。

 インウッド式との比較では、「蓄積利回りIの償還基金率」を建物償却率とすると、「Y+建物償却率」は「利回りを標準的なもの、期間n年の年賦償還率」を表しています。

 一般的な場合、「利回り5.0%、期間5年の年賦償還率」は23.1%で、「利回り5.0%、期間10年の年賦償還率」は13.0%ある。他方、償還基金率は、10%・5年で16.4%、10%・10年で6.3%です。

 ホスコルド式は、I=10%・全体利回りを5.0%の年賦償還率とすると、期間5年のとき、期間10年のときともに、Y=6.7%といえます。

 蓄積利回りIの償還基金率は、建物(鉱山等)の減価償却費を表しているといえます。Iの償還基金率は、償却期間が短期であれば通常建物の減価償却率は高いと考えられます。

 これにより、Yは償却率を含まない割引率で、減価償却分を含めて、年賦償還率相当です。
 ホスコルド式については、あまり考えたことがなく、一般にYが通常の割引率より高水準であると気づきませんでした。

期間10%償還基金率5%年賦償還率 Y
5年16.4%23.1% 6.7%
10年 6.3%13.0% 6.7%
15年  3.1% 9.6% 6.5%
20年 1.7% 8.0% 6.3%

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