A②収益還元法計算の基礎第2回
1.単利
単利の利率は、(年利率×年数)です。
(例1)年利率3.0%の6年の単利の利率
3.0%×6年=18%
2.利息計算
複利の利率は、1年複利の場合、元利合計は「(1+年利率)の年数乗」です。
元利合計の数値を「複利終価率」といいます。
(例2)年利率3.0%の6年の1年複利の複利終価率
(1+3.0%)⁶≒1.194(複利終価率)
3.割引計算
1年複利の割引後の元本の利回りは、「1÷{(1+年利率)の年数乗}」(複利現価率)です。
(例3)割引率3.0%の6年の割引後の元本相当の複利現価率
1÷(1+3.0%)⁶≒0.837
4.連続する期間の「複利終価率の総和」(複利年金終価率)
連続する期間の複利終価率の総和を「複利年金終価率」といいます。
(例4)100万円ずつ10年間貯蓄した10年後の元利合計額(利率3.0%の1年複利)
複利年金終価率:11.464
100万円×11.464≒1,146万円
複利年金終価率とは、複数の期間の複利終価率の総和です。(例)では、9年・8年・7年・・・1年・0年の各複利終価率の総和です。
(例5)逆に、10年間貯蓄して10年後の元利合計額が1,000万円、年利率3.0%の1年複利の場合の各1年間の貯蓄額
1,000万円÷11.464≒872,296円
5.連続する期間の「複利現価率の総和」(複利年金現価率)
(例6)住宅ローン10年返済で、毎年100万円ずつ返済、利率3.0%の1年複利の当初元本価格
複利年金現価率8.530
100万円×8.530=853万円
当初の借金総額は、853万円です。
複利年金現価率とは、複数の期間の複利現価率の総和です。(例)では、1年・2年・3年・・・10年の各複利現価率の総和です。
(例7)逆に、借金総額が1,000万円のとき、10年返済、利率3.0%の1年複利の毎年の返済額
1,000万円÷8.530≒1,172,333円
6.不動産の価格と賃料
価格の基礎となる期間は現在から永久の将来までの期間(途中で譲渡・相続により引継ぎがあるが所有権は存続する。)です。
価格の経済価値は、現在から永久の将来までの期間の使用収益権(年額賃料)の現在価値の総和です。
賃料の基礎となる期間は通常1月です。
賃料の経済価値は、各月額賃料です。
7.配偶者居住権
残存余命期間の経済価値の現価の総和です。
(例8)余命10年、割引率5.0%、不動産価格3,000万円の場合の配偶者居住権
年額賃料:3,000万円×5.0%=150万円
複利年金現価率:7.722
配偶者居住権:150万円×7.722=11,583,000円
8.償還基金率
(例5)の計算例参照
償還基金率とは、N年後に一定額を得るために毎年期末に積み立てる価値です。
すなわち、複利年金終価率の逆数です。
(例5)の場合の償還基金率:1÷11.464≒0.0872
1,000万円×0.0872=872,000円
9.年賦償還率
(例7)の計算例参照
年賦償還率とは、一定金額をN年間にわたって各期末に元金と利子を均等で償還する価値です。
すなわち、複利年金現価率の逆数です。
(例7)の場合の年賦償還率:1÷8.530≒0.117
1,000万円×0.117=117万円