全体主義経済論の社会主義版・現代版
6103全体主義経済論は、現代では土屋暁のマクロ経済の現実論ですが、旧ソ連時代の提唱者は誰でしょうか？
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旧ソ連時代の「全体主義経済論」に相当する経済理論や実践を提唱・推進した人物としては、以下のような人物が重要です：
1. ウラジーミル・レーニン（Vladimir Lenin）
- 時代： ソビエト連邦建国（1917年）〜1924年
- 役割： ソビエト体制下の計画経済の基本的枠組みを初期に構築。
- 理論： 戦時共産主義（War Communism）、その後の新経済政策（NEP）への転換も提唱。
- 全体主義的要素： 生産手段の国有化、価格や生産の国家統制。
2. ヨシフ・スターリン（Joseph Stalin）
- 時代： 1920年代後半〜1953年
- 役割： 中央集権的な計画経済（いわゆる「スターリン体制」）の完成者。
- 理論と実践：
- 五カ年計画（Five-Year Plans）： 工業化・農業集団化を国家が全面的に主導。
- コマンド経済（指令経済）： 国家が生産目標、価格、労働配置まで詳細に決定。
- 全体主義経済の象徴的人物。
3. ニコライ・ブハーリン（Nikolai Bukharin）
- 時代： 1920年代
- 役割： NEPの擁護者、レーニン後の経済政策論争に参加。
- 理論： 「農民との同盟」「緩やかな社会主義への移行」を唱えるが、スターリンに粛清された。
4. ゲンリフ・ユガノフやソ連計画経済機構の官僚たち
- 中央計画庁（ゴスプラン）などで計画経済を制度的に支えた多数の官僚たちが、実務面での「全体主義経済」の構築に関わった。
総括
旧ソ連における「全体主義経済論」の実質的な提唱者・実践者は ヨシフ・スターリン です。彼の主導した「五カ年計画」と「農業集団化政策」は、全体主義的な経済運営の典型です。
一方、理論的な前段階には レーニン や ブハーリン などの影響もありますが、スターリンの政策によって完全な「全体主義経済」が確立されました。
現代日本において土屋暁氏が主張する「マクロ経済の現実論」は、全体主義的というより「国家によるマクロ的統制の必要性」を強調する理論であり、旧ソ連のような政治的・経済的全体主義とは大きく異なることに留意が必要です。
