マクロ経済寸劇④

第4話:「税金って、ほんとに財源なの?」

登場人物(前回までと同じ):

  • ナオミ(大学生)
  • ケンジ(父親)
  • ツチヤ先生(経済学者)

📘【シーン1:ケンジの夕刊タイム】

ケンジ(新聞を読んでいる):
「また増税の話か…。財政が厳しいから仕方ないんだろうな…」

ナオミ(ソファに寝転びながら):
「先生、税金って、政府のお財布の中身ってことでしょ?ないと国が破産するんじゃないの?」

ツチヤ先生(現れるなり):
「またまた、誤解してるねぇ〜。それ、“財源神話”だよ!」

📘【シーン2:財源神話をバッサリ!】

ナオミ
「でも、政府が支出するには税収が必要なんじゃないの?」

ツチヤ先生
「ちがうよ。政府は“通貨の発行者”。つまり、お金を“創る”側。税金は“使った後に”回収するもので、“前もって必要”なわけじゃないんだ。」

ケンジ
「じゃあ税金ってなんのためにあるんだ?」

📘【シーン3:税の役割とは?】

ツチヤ先生(ホワイトボードに3つの丸を書いて):
「税金には3つの役割がある。①インフレ抑制、②所得再分配、③行動調整。
つまり、経済を安定させたり、格差を是正したり、環境対策を促すための“調整装置”なんだよ。」

ナオミ(驚いて):
「えっ、じゃあ“税金が財源”って話はウソなの?」

ツチヤ先生
「“貨幣発行権を持たない家計”の論理を、“国家”に当てはめてはいけない。
政府はお金を生み出せるんだから、税金で財布を膨らませる必要はないのさ。」

📘【シーン4:常識の逆を突け!】

ケンジ
「それを聞くと、増税が必要って論理に疑問がわいてくるな…」

ツチヤ先生
「その調子。『常識』がひっくり返るとき、本当の現実が見えてくる。
税は“支出の制約”ではなく“経済の調整装置”なんだ。」

ナオミ
「じゃあ、増税して景気悪くなってたら、本末転倒ってこと?」

ツチヤ先生(にっこりと):
「その通り。マクロ経済は“全体の循環”が命。税金も、支出も、循環の設計が重要なんだよ。」

🎬 ナレーション(締めくくり)

ナレーション:
「政府支出の財源は税金ではない?」
それは、目からウロコの真実。
経済の本質は、“貨幣の流れを設計すること”──。
土屋暁の“現実論”は、今なお私たちの常識を問い直す。

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